障害年金をもらえない人とは?専門家が解説【専門家が解説】

最終更新日 25-10-08

障害年金をもらえない人とは?

障害年金を受給するためには、いくつかの基本的な要件を満たす必要があります。逆に言えば、これらの要件を一つでも満たせない場合は障害年金をもらうことは難しくなります。まずは基本を押さえることが重要です。

障害年金の基本知識

障害年金は、病気やケガによって、日常生活や仕事に支障が出ている方々の生活を支えるための公的な年金制度です。障害年金を申請するためには、以下の3つの重要な要件をすべて満たす必要があります。

  1. 初診日要件: 障害の原因となった病気やケガで、初めて医師の診療を受けた日(初診日)が証明できる。そして、その日に公的年金(国民年金・厚生年金)に加入している。
  2. 保険料納付要件: 初診日の前日までに、一定期間以上、年金保険料を納めている。
  3. 障害状態要件: 法律で定められた障害等級に該当する障害の状態にある。

これらの要件を一つずつ確認していくことが、障害年金申請の第一歩となります。

 

 

障害年金がもらえない理由とは?

障害年金が不支給となるのは、下記の要件を満たせないケースがほとんどです。ここでは、特に多くの方がつまずきやすいポイントについて、具体的にみていきましょう。

初診日の証明ができない

以前のコラムでもご紹介していますが、初診日がかなり以前ですと初診日の証明に苦労するケースが多々あります。

障害年金においては「初診日」はすべての起点となる最も重要な日です。

  • 初診日にどの年金制度に加入していたかで、受給できる年金の種類(障害基礎年金か障害厚生年金か)が決まります。
  • 初診日を基準に、保険料の納付要件を満たしているかが判断されます。
  • 初診日が証明できなければ、申請手続きを進めることができません。

カルテが破棄されていたり、病院が閉院していたりと、初診日の証明が難しいケースもあります。しかし、診察券や領収書、お薬手帳、第三者の証明など、様々な方法で証明できる可能性があります。

 

年金保険料の未納

障害年金を受給するためには、初診日の前日において、以下のいずれかの保険料納付要件を満たしている必要があります。

  • (原則) 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間のうち、3分の2以上の期間で保険料が納付または免除されていること。
  • (特例) 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと。

この要件を満たしていない場合、残念ながら障害年金の申請を進めることはできません。学生納付特例や免除・猶予の申請をしていた期間は、納付期間としてカウントされます。ご自身の納付状況が分からない場合は、まずはお近くの年金事務所にて確認してみるのが、良いでしょう。

障害の状態が基準を満たさない

うつ病、統合失調症、発達障害などの精神疾患は障害年金の対象となりますが、数値や外見からはわかりにくい障害のため、診断書、申立書の内容によっては障害の状態が基準を満たさないと判定される場合も考えられます。

  • 診断書の内容が重要: 医師に日常生活や就労で困っていることを具体的に伝え、実態に即した診断書を作成してもらうことが非常に重要です。
  • 病歴・就労状況等申立書: これまでの日常生活の状況や仕事でどのような支障が出ているかを、ご自身の言葉で具体的に記載する書類です。診断書を補完する大切な資料となります。

精神疾患の場合は「働いている」という事実だけで判断されるのではなく、日常生活能力や就労能力が総合的に評価されます。事前に、専門家へ相談することをおすすめします。

 

年齢、収入と受給資格の関係とは?

障害年金の申請には年齢も関わってきます。特に「初診日」がいつであるかが、年齢の要件を考えるうえで非常に重要になります。また、支給が決定しても例外的に所得制限により受給が停止される場合もあります。

年齢別の受給要件

  • 原則: 障害年金の請求は65歳の誕生日の前々日までに行う必要があります。例外的に初診日が65歳以前で65歳を過ぎてから障害認定日が到達した場合、障害年金を請求することができます。
  • 20歳前に初診日がある場合: 年金の加入義務がない期間のため、20歳に達した日(または障害認定日)から請求が可能になります。保険料の納付要件は問われません。
  • 60歳~65歳未満で初診日がある場合: 国民年金の被保険者ではない期間に初診日がある場合でも、日本国内に住んでいれば対象となることがあります。

「もう年だから…」と諦めるのではなく、ご自身の初診日がいつなのかを正確に確認することが大切です。

所得制限を超えた場合

「働いていて収入があるから、障害年金はもらえない」これは非常によくある誤解です。

障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)には所得制限はありません。 会社員として働きながら、あるいはご自身で事業を行いながらでも、他の要件を満たしていれば受給は可能です。

 

ただし、例外があります。 それは「20歳前の傷病による障害基礎年金」です。これは、年金保険料の納付義務がない20歳になる前に初診日がある病気やケガで障害を負った場合に支給されるもので、福祉的な意味合いが強いため、本人の所得による支給制限が設けられています。(年間所得に応じて半額支給停止、全額支給停止となります。)

 

まとめ

障害年金をもらえない理由は「初診日要件」「保険料納付要件」「障害状態要件」のいずれかを満たせないことに集約されます。しかし、「もう年だから・・」「働いているから」「年収が多いから」といった思い込みで、本来受給できるはずのものを逃してしまっている方が少なくありません。

 

もし、ご自身の状況で障害年金がもらえるのかどうか分からず、不安を感じていらっしゃるのであれば、一人で悩まずに専門家にご相談ください。特に新潟県内での申請にお困りの方は、ぜひ一度、当事務所の無料相談をご利用ください。あなたの状況を丁寧にお伺いし、受給の可能性や申請に向けた具体的なステップをアドバイスさせていただきます。

 

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