障害年金の金額【2025年度(令和7年度)】
障がいによって生活や仕事にお困りの方にとって、公的年金制度の一つである「障害年金」は、生活を支えるための重要な経済的基盤となります。
2025年度(令和7年度)において、ご自身がどれくらいの金額を受給できるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
障害年金の金額は、加入している年金制度や障害の等級、ご家族の状況によって異なります。
この記事では、障害年金の専門家である社会保険労務士が、2025年度の障害年金の金額について、制度の種類や等級ごとに分かりやすく解説します。
そもそも障害年金とは?
障害年金とは、病気やケガによって法律で定められた障害の状態になった場合に支給される年金です。障害のある方の生活を支えることを目的としており、現役世代の方も受け取ることができます。
障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があり、病気やケガで初めて医師の診療を受けた「初診日」に、どの公的年金に加入していたかによって、受け取れる年金の種類が決まります。
- 障害基礎年金
初診日に国民年金に加入していた方、または20歳前や60歳以上65歳未満(国内在住)で年金制度に加入していない期間にあった方が対象です。 - 障害厚生年金
初診日に厚生年金に加入していた方が対象です。障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残った場合は、障害手当金(一時金)が支給されることがあります。
障害厚生年金の対象となる方は、障害基礎年金もあわせて受給することができます。
障害年金を受給するための3つの要件
障害年金を受給するためには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。
- 初診日要件
障害の原因となった病気やケガで、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(初診日)が証明できること。 - 保険料納付要件
初診日の前日において、一定期間以上、国民年金保険料を納付していること。(※20歳前の年金未加入期間に初診日がある場合は問われません) - 障害状態要件
障害認定日(原則として初診日から1年6ヶ月を経過した日)または20歳に達したときに、法令に定められた障害等級(1級・2級・3級)に該当する状態であること。
これらの手続きや要件の確認は複雑な場合があるため、ご不明な点があれば専門家への相談をおすすめします。
【2025年度】障害基礎年金の金額
障害基礎年金は、障害等級に応じて定額が支給されます。1級は2級の1.25倍の金額です。
また、生計を同じくしている子がいる場合は、人数に応じて加算されます。
1級 |
831,700円×1.25=1,039,625円(+子供がある場合は更に加算額) |
2級 |
831,700円(+子供がある場合は更に加算額) |
1人目・2人目の子 |
(1人につき)239,300円 |
3人目以降の子 |
((1人につき) 79,800円 |
※「子」とは18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の状態にある子を指します。
【2025年度】障害厚生年金の金額
障害厚生年金の金額は、厚生年金への加入期間やその間の給与(標準報酬月額)に基づいて計算される「報酬比例の年金額」が基礎となります。
障害等級が1級・2級に該当する方は、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。
1級 |
報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級 |
2級 |
報酬比例の年金額+障害基礎年金2級 |
3級 |
報酬比例の年金額 (最低保障額 623,800円) |
障害手当金 |
報酬比例の年金額×2年分 (最低保障額 1,247,600円) |
配偶者の加算額 |
239,300円 |
※配偶者の加給年金額 障害厚生年金の1級または2級を受給する方に、生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合に239,300円が加算されます。
知っておきたい障害年金のポイント
- 障害年金は非課税
障害年金は税金がかからないため、所得税や住民税が源泉徴収されることはありません。 - 手続きの重要性
障害年金の申請手続きはご自身で行うことも可能ですが、書類の準備が複雑で、内容によっては不支給となる可能性もあります。日本年金機構のホームページを確認したり、専門家である社会保険労務士(社労士)に相談したりする方法もご検討ください。
まとめ
2025年度(令和7年度)の障害年金額は、物価や賃金の変動に応じて改定されています。ご自身の状況でいくら受給できるのか、この記事を参考にしていただければ幸いです。
障害年金の制度や手続きは複雑です。もし申請方法や受給額の計算についてご不安な点があれば、一人で悩まず、お近くの年金事務所や障害年金を専門とする社会保険労務士にご相談ください。